・時代を先取りし続けたTMNETWORK

30周年を締めくくるライブ30th FINALが昨年行われたTMNETWORK。
メンバーである小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登の平均年齢は57歳である。

まさにレジェンドOyaGと言えるだろう。

人気絶頂だった20年以上前の1994年。新聞広告で「TMN終了」と突然の掲載。
当日のオールナイトニッポンの放送の冒頭で本人たちの口から改めて「終了」が発表。

全国のファンが驚いた。
それもそのはず、その日はTMNETWORKデビュー10周年の日。
ラジオ番組オールナイトニッポンでも「10周年記念放送」の予定であった。
中学生だった筆者も120分の「ハイポジ」のカセットテープを買ってラジオの録音準備は万端であった矢先の発表。(ラジオをハイポジで撮ってどうする。という突っ込みは中学生の熱意の前には無意味である。)

しかも「解散」ではなく「終了」。
「デビューした当時から決められたプロジェクトが予定通り終わるに過ぎない。」との発表にTMらしさに感動するとともに、心に大きな穴が開いてしまった感覚に襲われたファンも多かっただろう。

そのTMNETWORKが昨年30周年ツアーを行った。
ツアーについてはこの後紹介するレビューを是非読んでもらいたいが、
TMNの音楽、ライブに対する情熱や純粋な気持ちは少しも色あせていない。

・おしゃれで革新的

TMNETWORKは1984年にデビュー。
たくさんのファンが認識するようになったのは
やはりシティハンターのエンディングテーマにもなった
「GetWild」のスマッシュヒットだろうか。

当時筆者もテレビでTMNETWORKを見るたびに、驚愕していた。
キーボードの小室哲哉がいつもキーボードとパソコンのモニターに囲まれている。
昔のシンセサイザーは音を呼び出したり、変えたりする際のロードに時間がかかったため
ライブなどでは何台もキーボードを置かなければならなかった為のスタイルだったのだが、
小学生当時の筆者にはそんな事分かるはずも無く、
「同時に何台もキーボード弾いてる!」
「演奏しながらパソコンを操作している!」と衝撃をうけたものだ。
機械を使って音を出す魔法使いに見えた。

宇都宮隆の歌とダンス。木根尚登のギターとパフォーマンス。

どこを見ても「斬新」「革新的」であった。
当時小室哲哉が「TMのファンの子はおしゃれ。」とメディアで言っていた。
TMのファンである事がどこか「かっこいい」と誇りに思っていたファンも
多いのではないか。

ちなみに1987年のオリコンチャート上位は
瀬川瑛子、中森明菜、吉幾三、光GENJIである。
TMが良い意味で「異質」だったのは明らかであった。

TMNetwork SelfControl (480p) - YouTube

出典:YouTube

・TMの音楽へのこだわり

今では当たり前のデジタルレコーディングも1990年頃から取り入れていた。
当時導入したシンクラヴィアというワークステーションは小室曰く
「フェラーリが買えたぐらい」高価なものであった。海外の有名ギタリストを
レコーディングに参加させた時も、あまりの高音質に「おれってこんなに下手だったんだ、、。」とギタリストがショックを受けたというエピソードがある。

当時TMのレコーディングにサポートメンバーとして参加していたB’zの松本孝弘は
そのこだわり故に一小節ずつレコーディングしたり、何度も繰り返される単調作業に
「今日は行きたくない」と根を上げたというエピソードもある。

このマニアックとまで言われたこだわりもTMならではである。

木根尚登の後ろでギターを弾く松本孝弘

・木根バラ

そんな最先端のTMNの楽曲といえば、シンセサイザーを駆使した
アップテンポな曲を想像するだろうし、現にシングルカットされた曲はそういった曲が多い。
しかしそんな中にもバラードの名曲が数多く存在する。
ギターの木根尚登が作曲する、ファン曰く「木根バラ」である。
アルバムがリリースされると12、3曲の中に1曲、多くて2曲の木根バラが存在した。
木根尚登はこの1曲勝負のプレッシャーと闘っていたのではないだろうか。
その分、本当に名曲が多い。
この木根バラについては1994リリースのTMN Blueと言うアルバムを是非聞いてもらいたい。

・革新的なマーケティング、ライブ、現代音楽への影響

当時カセットとCDを同時発売するのがスタンダードな時代に、CDのみの
アルバムリリースでオリコン1位を取ったのはTMが初めてである。「TMのファンは最先端だからCDデッキぐらい当然持ってるよね!」というメッセージにも思えた。

ギターの木根尚登が書いた小説「CAROL」の世界観をそのままアルバム、ライブへ展開。
さながらミュージカルのようなライブは当時のファンを驚かせた。
小説と音楽のメディアミックスもTMが先駆けである。
更にそのCAROLツアーの最終日には、今では当たり前の「パブリックビューイング」を全国10カ所で行った。これもTMが先駆けであった。

1990年にはTMNETWORKからTMNへリニューアルした。
この「リニューアル」という言葉もTMが定着させたといわれている。

演出でレーザー光線をライブで使ったのも、TMが初めてである。(木根尚登がメディアでつい最近言っていた。)
嘘みたいな話だが、当時ある会場ではレーザー光線が人体に影響があるかもしれないと許可が下りなかったというエピソードがある。そのくらい最先端だったという事だろう。

スピーカーを天井から吊るして会場全体に音を伝わりやすくしたのも、
サラウンドシステムをライブに取り込んだのもTMが初めてである。

1991年のツアーでは小室哲哉がDJプレイを行ったり、ボイスサンプリングを駆使した演奏を行うなど、現代では当たり前のような事も、TMNが先駆けてやっていた。


実は、現代の音楽にTMNの試みが多大な影響を与えているのである。

・時を超えて

そして今、30周年を迎えたTMN。

ライブの最後には「僕たちの傍らにあったバトンを一旦みなさんに託します。」と。

当時の「みんなを驚かせてやろう」という3人の思いは全く色褪せることは無い。
音楽への情熱がそうさせるのだろう。
そんな少年のような心を持ったTMNの3人にこれからも期待せざるを得ない。

世代によっては子供と一緒にライブに行けるのでは無いか。

TMNの音楽をきっかけに「時を超えた対話」が出来ることを期待して。

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